No4 相続税申告書を自分で作成するのと専門家が作成するのでは、何が違うの?
1.相続税申告書について
相続税の申告書は自分で作成し、税務署に提出することも可能です。
相続税申告書の用紙は全国の税務署でもらうか、国税庁のホームページからダウンロードすることができます。
相続税申告書の提出先: 被相続人(亡くなられた方)の死亡の時における住所地を所轄する税務署(その住所地が日本国内の場合)
相続税申告書の提出期限: 被相続人が死亡したことを知った日の翌日から10か月以内
例:2019年10月3日に死亡したことを知った場合は、2020年8月3日が期限となります。
2.相続税申告書を自分で作成するメリットとデメリット
◆ メリット
● 税理士報酬を節約することができる
複雑で大変な申告書作成作業を専門家に任せたほうが楽ですが、当然報酬がかかってきます。
自分で作成する一番のメリットは「税理士報酬がかからない」ということです。
◆ デメリット
● 手間と時間がかかる
相続税申告書を作成するためには膨大な量の資料収集をし、収集した資料をもとにすべての財産と債務を評価し税額を計算していく必要があります。
さらに提出期限は10ヶ月以内と決まっており、葬儀や法要を執り行いながら申告書を作成することは、大変な手間と時間と労力がかかります。
● 相続税を過大・過少に支払ってしまう可能性がある
相続税の計算においては、さまざまな特例や税額控除、評価減のルールや基準が決まっています。
どうしても専門家以外のひとが申告書を作成するとこれらの相続税を軽減するための知識や方法を知らないために 相続税を過大に支払ってしまう可能性があります。
また逆に、計算方法を誤ったり、財産の計上漏れによって 相続税を過少に支払ってしまうと、延滞税や過少申告加算税が余計にかかってしまうことになります。
● 税務調査の対象となる可能性が高くなる
税務署としても 相続税申告書を専門家が作成した場合と専門家以外のひとが作成した場合では やはり専門家以外のひとが作成した申告書のほうが相続税の計算に間違いがある可能性が高いだろうと考えるため、税務調査の対象となる可能性が高くなります。
3.まとめ
相続税申告書を作成するうえで、難易度が高く複雑となるのが土地の評価です。
被相続人が不動産をお持ちの場合、お仕事等でなかなかお時間が取れない方、少しでも不安がある方は無理をせず 税理士を上手に活用し、相続税で損をしないようにしましょう。